なぜシワが不自然に?シャツの描き方で劇的立体化する3つの法則
線画が完成した後の着彩工程において、服の質感を決定づけるのがシワの影と塗りのコツです。特に白シャツは「影のつけ方ひとつで清潔感にも薄汚れにも見える」という繊細な特徴を持っています。
プロの着彩現場では、影を「フォームシャドウ(面の向きによる緩やかな影)」と「キャストシャドウ(遮蔽によるくっきりした落ち影)」の2段階に厳格に分離して設計します。
シワの山と谷を塗る際は、光が当たる側から滑らかにグラデーションを描く「ぼかし影」をベースに置き、布が深く折り重なって光が完全に遮られる窪み部分には、細くシャープな濃い影(落ち影)をピンポイントで落とします。この「ソフトな影」と「ハードな影」の対比が、画面に鮮烈なメリハリとリアルな布のハリ感をもたらします。
影色の選定においても重要な法則があります。白シャツの影色に単純な無彩色(グレー)を使ってしまうと、全体がくすんで汚れた印象になりがちです。自然光(太陽光)の環境下であれば、空の反射を考慮した「淡い青紫色(ラベンダーグレー)」や「シアン寄りのグレー」を影色に選び、キャラクターの肌に近い襟元や胸元には、肌の照り返し(環境光)として「淡いオレンジ〜ピンク」の光をわずかに混ぜ込むことで、透明感に満ちた生き生きとした質感に仕上がります。