天守閣とは?天守との違いや住まない理由・現存12天守の謎を徹底解明
日常の会話や観光ガイドで広く使われている「天守閣」という呼称ですが、学術・歴史分野における正式な名称は「天守(てんしゅ)」です。江戸時代の幕府文書や各大名の記録、築城図面を確認しても「天守閣」という単語は見当たらず、すべて「天守」または「主塔」「殿守」と記されています。
では、なぜ「閣」という文字が付け加えられたのでしょうか。明治時代に入り、近代文学や一般大衆向けの記事において、金閣寺や銀閣寺のように「高層で華麗な楼閣建築」を連想させる美称として「天守閣」と表現されたことが契機とされています。つまり、天守閣と天守の違いは、近現代に定着した一般的な通称か、歴史的事実に基づく建築用語かという点に集約されます。
構造面から見ると、天守は城郭に配置された無数の「櫓(やぐら)」の頂点に位置する存在です。城の防御施設である櫓は、弓や鉄砲を射掛けるための軍事拠点であり、武器庫や見張り台として機能していました。これに対し、櫓と天守の構造を比較すると、天守は複数の大型櫓を複合・立体化させ、城内最高の高さを誇る「究極の大型防衛拠点」として設計された独立建築物であることが分かります。