漫画村事件の全貌と星野ロミの現在|17億円賠償と後継サイトの罠
逮捕後の司法判断は、デジタル海賊版に対する日本の法制史上、極めて重い先例を残すことになりました。福岡地方裁判所は2021年6月、星野ロミに対し懲役3年、罰金1,000万円、追徴金約6,257万円の実刑判決を言い渡しました。控訴することなく刑は確定し、星野ロミは服役することになります。
しかし、刑事罰だけで幕引きとはなりませんでした。2022年7月、被害を受けた大手出版社3社(KADOKAWA、集英社、小学館)が、星野ロミを相手取り総額約19億3,000万円の損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁判所に提起したのです。
この裁判の焦点となったのは漫画村の被害額の計算手法でした。出版社側は、漫画村に無断アップロードされた代表作(『ONE PIECE』『進撃の巨人』『キングダム』など計17作品)の閲覧数をサーバーログから詳細に算出し、「閲覧回数 × コミック単行本の正規販売価格」をベースに損害を算定。2024年4月18日、東京地裁は原告側の主張をほぼ認め、星野ロミに対して約17億3,600万円の支払いを命じる判決を下しました。
文化庁や出版広報センターの試算によると、漫画村による出版業界全体の潜在的被害額は約3,200億円超と推計されており、民事判決で認められた17億円余りは、法的に立証可能な範囲で認められた象徴的かつ現実的な最高水準の賠償額といえます。