竜泉寺の湯豊田浄水店が閉店した真相と跡地の今を独自調査

竜泉寺の湯豊田浄水店が閉店した真相と跡地の今を独自調査にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

名鉄豊田線・浄水駅から徒歩すぐという抜群のアクセスを誇り、トヨタ系企業の勤務者から学生、シニア層まで幅広い客層を惹きつけていた竜泉寺の湯 豊田浄水店。週末には駐車場待ちの列ができるほどの盛況ぶりを見せていたにもかかわらず、なぜ施設を畳まなければならなかったのか。そこには複合的な業界構造と契約上のタイムリミットが存在していました。

運営母体であるオークランド観光開発株式会社の関係者証言や当時の開示情報を精査すると、最大の主因は「定期借地契約の満了」です。一般的なロードサイド型複合施設や温浴施設では、15年から20年程度の事業用定期借地契約が結ばれるケースが多く、同店も契約満了の節目を迎えた段階で契約更新を行わず、更地返還を前提とした退去が決定されました。ネット上では「コロナ禍による赤字倒産ではないか」という邪推も一部で見られましたが、運営企業自体は「スパメッツァ」ブランドなど全国展開を加速させており、経営破綻による閉鎖ではありません。

しかし、契約更新を選択しなかった背景には、温浴業界を取り巻く過酷な経済環境の変化がありました。開業から10数年が経過した温浴施設は、ボイラーや配管、濾過循環装置の大規模修繕期を迎えます。これに加えて2022年以降の原油・天然ガス・電気代の記録的な高騰が直撃しました。数億円規模の改修投資を行って地代を払い続けるよりも、契約満了のタイミングで役割を終える判断が下されたというのが、経営合理性から見た冷徹な事実です。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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