国際霊柩送還士の光と影|過酷な年収事情と現場のリアルを徹底追跡
ネット上の情報では「国境を越えた愛を繋ぐ感動の仕事」といった情緒的な側面ばかりが切り取られがちですが、実態は凄惨な現実との絶え間ない戦いです。自著や関係者の告白録でも言及されている通り、現場で対面する遺体は決して穏やかな表情ばかりではありません。
航空機事故、熱帯地域で日数が経過した孤独死、海難事故、爆発テロ――目も当てられない状態に変わり果てた肉体を、特殊な技術と薬剤を駆使して家族が対面できる状態まで復元します。そこには激しい腐敗臭、感染症への曝露リスク、そして視覚的ショックが常に付きまといます。
従事者の中には、悲惨な情景のフラッシュバックに苦しみ、二次受傷(代理受傷)やPTSDの症状を抱えて業界を去る者も少なくありません。美談や憧れだけで務まる仕事ではなく、強烈な倫理観と、自己の精神を守る防壁を持たない者には耐え難い過酷な環境が存在します。