肺水腫の聴診音と鑑別ポイント徹底解説|水泡音と捻髪音の決定的な違い
肺水腫の聴診音と鑑別ポイント徹底解説|水泡音と捻髪音の決定的な違いに関する注目トピックを速報でお届けします。関心のある方は必見です。
肺水腫の病態において聴診器を通じて聞こえる異常音は、医学的に「断続性ラ音(クラックル:Crackles)」、一般には湿性ラ音と呼ばれます。この湿性ラ音が出る理由は、本来は空気で満たされているはずの肺胞や気道内に、過剰な水分(漏出液や滲出液)が入り込むことに起因します。
吸気時に狭窄・虚脱していた末梢気道や肺胞が空気圧によって急激に押し開かれる瞬間、あるいは貯留した液体の中を吸入された空気が通過して気泡が破裂する瞬間に、特有の破裂音が発生します。これが聴診音の物理的な正体です。
病態の進行プロセスを時系列で追うと、間質性肺水腫から肺胞性肺水腫への経緯が明確に音の変化として現れます。
初期の「間質性肺水腫」の段階では、毛細血管から染み出た水分がまず肺の間質(支持組織)に留まるため、末梢の肺胞壁が硬くなり、吸気終末に「パチパチ」「チリチリ」という高調で細かい音(捻髪音:Fine crackles)が響きます。しかし、うっ血や血管透過性の亢進が限界を超えて「肺胞性肺水腫」へと移行すると、液体が肺胞腔内や気管支内に直接溢れ出します。その結果、呼吸周期全体を通じて「ボコボコ」「ゴボゴボ」と泡立つような低調で粗い音(水泡音:Coarse crackles)へと劇的に変化するのです。