ファーラー位とは?角度の基準やセミファーラー位との違いを徹底解説
安全な体位管理を行う上で、ファーラー位を避けるべき「禁忌症例」や慎重な観察が必要な状態を把握しておく必要があります。
まず、不安定な脊椎損傷や骨盤骨折のある患者では、体幹を起こすこと自体が病変部の悪化を招くため禁忌です。また、急性の低血圧状態や循環動態が不安定なショック時にファーラー位をとらせると、脳血流量が低下して失神や虚血性イベントを引き起こす危険性があります。
さらに、すでに仙骨部に重度の褥瘡が存在する場合、45度のファーラー位は局所を圧迫して創傷治癒を著しく遅らせるため、側臥位や低角度のセミファーラー位へ変更するなどの個別対応が不可欠です。経管栄養の投与後は、急激に元の平らな姿勢(水平仰臥位)へ戻すと嘔吐や誤嚥を招くため、注入終了後も少なくとも30分から1時間程度は角度を保つことが基本指針となっています。