尊属殺重罰規定の違憲判決とは?最高裁初の違憲判断と法改正の真相

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なぜ尊属殺人罪は憲法違反とされたのでしょうか。その焦点となったのが、憲法14条が保障する「法の下の平等」との整合性です。

当時の刑法における殺人罪の法定刑を比較すると、その格差は歴然としていました。

  • 普通殺人罪(刑法199条):死刑、無期懲役、または3年以上の懲役
  • 尊属殺人罪(刑法200条):死刑または無期懲役のみ

刑法では、裁判官が情状を考慮して刑を減軽(酌量減軽)しても、無期懲役を減軽した場合は「懲役3年6月」が下限となります。執行猶予を付けるには「懲役3年以下」の言渡しが必要であるため、尊属殺が適用された時点で、いかに同情すべき事情があっても絶対に執行猶予を付けることができない仕組みになっていたのです。

最高裁大法廷は、親族倫理の維持や孝徳を尊重する立法趣旨そのものは直ちに違憲とは言えないとしつつも、「普通殺人罪と比較してあまりにも極端な差別であり、立法目的を達成するための手段として著しく不合理である」と断じました。目的と手段の均衡を著しく失した過剰な重罰規定は、憲法14条1項に違反して無効であると結論づけたのです。

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