ゼクロム・レシラム映画の違いを完全比較!2作の分岐点と視聴基準
アニメ映画史を見渡しても極めて珍しい「同一ストーリーの2バージョン同時全国公開」という試みは、どのような意図で企図されたのでしょうか。当時の製作委員会や湯山邦彦監督の公式証言から、その舞台裏を読み解くことができます。
最大の理由は、ゲーム『ポケットモンスターブラック・ホワイト』が提示した「絶対的な善悪ではなく、異なる正義(理想と真実)の衝突」というテーマ性を、劇場版というメディアで極限まで表現することにありました。従来の映画では、一方のバージョンのみを正史として描くか、両方の伝説を1本の映画に詰め込む手法が採られてきました。しかし製作陣は、「観客自身が映画館の窓口でどちらの竜を選ぶか」という体験そのものをゲームのプレイ体験と同期させる決断を下しました。
東宝の配給データによると、2011年7月16日の封切り直後から「両バージョンを連続鑑賞する熱心なファン」が続出し、興行収入は最終的に43億円を突破。興行的な成功だけでなく、マルチバースやパラレルワールド演出が一般化する先駆けとして、アニメビジネス史に残る金字塔となりました。