元大関琴欧州を支える妻・麻子さんの覚悟|鳴戸部屋の知られざる絆
現役引退後、夫が日本相撲協会で親方として独立し、鳴戸部屋を創設すると、麻子さんの立場は一変した。ひとりの妻から、大勢の若い力士たちを預かる「部屋の女将」への転身である。
大相撲本場所が始まると、女将の日常は過酷を極める。朝早くから部屋の運営業務をこなし、力士たちの体調管理や精神的なケアに気を配る。10代半ばで親元を離れてやってくる弟子たちにとって、彼女はまさに「東京のおふくろ」そのものだ。厳しい勝負の世界に身を置く若者たちが、稽古の合間に見せる安らいだ表情の陰には、常に女将のさりげない配慮が存在している。