芋洗いから最新脳科学へ!ニホンザル知能研究が明かす驚愕の進化
話題沸騰中の 芋洗いから最新脳科学へ!ニホンザル知能研究が明かす驚愕の進化について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。
日本のニホンザル研究には、世界に誇る独自のパイオニア精神が息づいている。その礎を築いたのが、日本の霊長類学の父と称される学者・今西錦司だ。彼は西洋の進化論が個体の生存競争を強調していた時代に、動物社会にも独自の秩序や「カルチャー(文化)」が存在するという革命的な仮説を提唱した。
この仮説を決定的な事実として世界に知らしめたのが、宮崎県串間市で行われた幸島芋洗い行動研究プロジェクトである。1950年代、幸島の一頭の若いメスザル「イモ」が、泥のついたサツマイモを海水で洗って食べ始めた。この行動は単に汚れを落とすだけでなく、程よい塩味を加えるという味覚の選択でもあった。この知恵は瞬く間に母親や遊び仲間に広まり、やがて群れ全体の「伝統」へと昇華した。遺伝的変異に頼らない「行動の文化的伝達」を実証したこの発見は、世界の霊長類学に今なお色濃い影響を与えている。