余呉高原スキー場の閉鎖理由は?2026年現在の跡地と再開の真相
滋賀県長浜市余呉町中河内に位置した余呉高原リゾート ヤップは、なぜ営業を停止せざるを得なかったのか。関係者の証言や当時の業界動向を精査すると、単一のトラブルではなく、「気候変動」「設備老朽化」「固定費高騰」という3つの致命的な要因が同時に直撃した構造的な背景が浮かび上がります。
第1の要因は、2019-2020年シーズンを襲った観測史上稀に見る歴史的暖冬と深刻な雪不足です。日本海側からの雪雲が栃ノ木峠周辺に雪をもたらす地理的特性に依存していた同ゲレンデは、人工降雪機の保有台数が大手リゾートに比べて限られていました。十分な積雪を確保できず、稼働日数が激減したことで、シーズン売上が前年比で壊滅的な打撃を受けました。
第2の要因は、索道(リフト)設備をはじめとするインフラの経年劣化です。スキーブーム期に設置されたペアリフトや電気系統の維持には、鉄道事業法に基づく厳格な法定点検と大規模改修が義務付けられています。数千万円から数億円規模にのぼるワイヤー張り替えやモーター更新の投資回収が、暖冬リスクの前に極めて困難と判断されました。
第3の要因が、エネルギー価格(電力・重油)の高騰と運営体制の限界です。圧雪車の軽油代やリフトを動かす電気料金が急騰する中、株式会社余呉高原リゾートヤップなどの運営母体は追加投資の継続を断念。事業の継続性を慎重に検討した結果、無理な営業強行による事故リスクや赤字拡大を避けるため、事実上の事業撤退・営業休止を選択するに至りました。