映画『凶悪』実際の事件の戦慄の真相|上申書殺人事件と首謀者の現在
インターネット上の掲示板やSNSでは、この事件に関して複数の誤解が流布しています。調査報道の視点から、それらの誤認を是正します。
誤解1:「先生は無罪で釈放され、今も普通に暮らしている」というデマ
ネットの一部では「証拠不十分で先生は無罪になった」という言説が見受けられますが、これは完全な誤りです。三上静男は北茨城市の男性絞殺事件(殺人罪および死体遺棄罪)で起訴され、検察側は無期懲役を求刑しました。2007年の水戸地裁判決、およびその後の控訴審判決において懲役20年の実刑判決が言い渡され、刑は確定しています。
誤解2:「後藤良次は改心して正義感から告発した」という美談化
映画の描写や一部のまとめ記事から、「悪事に耐えかねた死刑囚が良心の呵責から告発した」と捉える読者がいますが、これも事実と異なります。後藤自身が獄中面談で宮本記者に語った動機の核は、「三上に対する怨嗟と復讐」でした。金銭面での約束を反故にされ、自分だけが処刑台に送られることへの憎悪こそが、告発の最大の原動力でした。そこには美談など微塵も存在しない、犯罪者同士の剥き出しの潰し合いがありました。