映画『凶悪』ネタバレと実話の全貌|上申書殺人事件の真相と現在
事件の発覚と映画の公開から長い年月が経過した2026年現在、この戦慄のドラマを紡いだ主要人物たちはどのような結末を迎えているのでしょうか。
死刑囚でありながら自らの罪を暴露した後藤良次は、2020年4月、収容先の東京拘置所において病死しました。死因は誤嚥性肺炎で、享年62。死刑の執行を受けることなく、獄中でその波乱に満ちた生涯を閉じました。後藤がなぜ自身の余罪を暴露したのかについて、公判では「先生だけがシャバでのうのうと生きていることが許せなかった」と語っており、正義感ではなく純粋な復讐心と嫉妬が動機であったことが明らかになっています。
一方、“先生”こと首謀者の三上静男は、現在も無期懲役囚として刑務所に収監中です。服役態度は一貫して反省の色を見せず、過去の再審請求などでも無罪を主張し続けています。日本の刑法における無期懲役の仮釈放基準は年々厳格化されており、特に社会的影響が甚大であった本件の首謀者が社会に戻る可能性は極めて低いとみられています。
そして、事件を世に知らしめた原作本『凶悪―ある死刑囚の告発―』を世に送り出した雑誌『新潮45』は、2018年に別件の論考を巡る騒動により休刊(事実上の廃刊)となりました。雑誌ジャーナリズムが権力やタブーに挑み、埋もれた殺人事件を暴き出した輝かしい功績と、その媒体自体の消滅という皮肉な歴史の巡り合わせがここにあります。