おでんの牛すじ下処理で失敗する原因は?臭みゼロとトロトロの極意
柔らかく仕上がった牛すじを、おでんの屋台や専門店のように見栄え良く仕立てるのが「串打ち」です。適当に刺してしまうと、おでん鍋の中で煮ているうちに肉が回転したり、串から抜け落ちて鍋の底に沈没してしまいます。
おでん用牛すじの串の刺し方には、明確な職人技が存在します。
- 一口大の均一カット:茹で上がったすじ肉を流水で粗熱を取り、横3〜4cm、縦2cm程度の均等な大きさに切り分けます。この際、アキレスのゼラチン部分と赤身部分が1つの串にバランスよく混ざるよう仕分けます。
- 繊維に対する直角打ち:肉の筋繊維と平行に竹串を通すと、煮込んだ際に繊維がほぐれて肉が外れます。必ず筋繊維に対して直角に串を刺すのが基本です。
- 波縫い(ジグザグ刺し):薄いメンブレンや不規則な形のすじ肉は、布を針で縫うようにジグザグと2〜3回刺し通します。
- ストッパーの配置:串の先端(頭)と根元(手元側)には、煮崩れしにくい固めの筋や軟骨部分を配置します。中央に柔らかなゼラチン部分を挟み込むことで、加熱しても全体が固定され、ほどけ落ちるのを完全に防ぐことができます。
串打ちを終えた牛すじを本調理のおでん鍋へ投入する際は、タイミングが肝要です。牛すじはすでに下処理段階で柔らかくなっているため、大根のように最初から何時間も強火で出汁とともに煮立てる必要はありません。出汁の沸騰を抑えた弱火(鍋肌が静かに揺れる80〜85℃程度)を維持し、他の具材の味が馴染んだ中盤以降に静かに沈めます。これにより、牛すじから余分な脂が溶け出して出汁が白濁する事故を完璧に遮断できます。