相撲の金星とは?獲得条件から一生続く報奨金制度と歴代記録まで徹底解説
金星を挙げた平幕力士には、その場で受け取る臨時収入だけでなく、「現役を引退するその日まで基本給が上がり続ける」という、プロスポーツ界でも類を見ない強力な恩給型インセンティブが用意されています。
「持ち給金(力士褒賞金)」の計算ロジック
日本相撲協会には「力士褒賞金」と呼ばれる制度があります。関取(十両以上の力士)になると、各自が積み上げた「持ち給金」と呼ばれる査定基準額に基づき、年6回の本場所ごとに手当が支給されます。この持ち給金は、勝ち越しや幕内最高優勝、そして金星の獲得によってベースアップします。
金星を1個獲得した際の手当計算ルールは以下の通りです。
- 持ち給金の加算額:金星1個につき10円が加算される。
- 実際の支給倍率:持ち給金1円につき4,000倍の現金が本場所ごとに支給される。
- 1場所ごとの支給増額:10円 × 4,000倍 = 1場所あたり4万円(手取り加算)
- 年間での支給増額:4万円 × 年6場所 = 年間24万円
持ち給金制度の最大の特徴は、「一度上がった持ち給金は、負け越しても絶対に下がらない」という累積加算システムです。仮に23歳で金星を1つ獲得した力士が33歳まで現役を続けた場合、10年間(60場所)で合計240万円の報奨金が確実に支給されます。もし通算で5個の金星を獲得していれば、年間120万円、10年間で1,200万円が給与に自動上乗せされる計算です。
土俵上で即座に手にする「懸賞金」のインパクト
金星の経済効果は持ち給金にとどまりません。横綱戦には毎場所、非常に多くの企業から「懸賞旗」が懸けられます。通常、横綱戦には上限に近い数十本(1本あたり協会の手数料を引いた手取り3万円の現金+3万円の納税充当金)の懸賞が指定されます。
平幕力士が横綱を撃破した場合、その取組に懸けられていた大量の懸賞金(手取りで100万円〜200万円前後に達することも珍しくありません)を、土俵上で勝ち名乗りとともに熨斗袋の束として直接手にすることになります。一夜にして大金と終身昇給を手中に収める瞬間こそ、相撲ドリームの真骨頂です。