ライダイハンとは何か?ベトナム戦争の悲劇と2026年現在の真相
ライダイハンに対する韓国政府の謝罪と賠償をめぐる姿勢は、歴代政権を通じて慎重かつ曖昧な態度が一貫して見られます。1998年の金大中大統領、2001年の金大中氏による「不幸な戦争に参加しベトナム国民に苦痛を与えたことに対する遺憾の意」、2004年の盧武鉉大統領の「心の負債」、2018年の文在寅大統領による「不幸な歴史に対する遺憾の意」など、大統領個人による道義的言及は行われてきました。
しかしながら、これらは抽象的な「遺憾の表明」にとどまり、軍の組織的関与や性暴力を法的に認めた国家賠償や謝罪決議とは性質が異なります。2023年2月、ソウル中央地裁がベトナム戦争時のフォンニィ・フォンニャット村民間人虐殺事件に関して韓国政府の賠償責任を認める画期的な判決を下しましたが、ライダイハン問題そのものを対象とした包括的救済立法や補償スキームは依然として存在しません。
ここで多くの識者やメディアの間で議論となるのが、慰安婦問題との違いです。日韓間において韓国政府は従軍慰安婦問題に対し、国家責任の追及、公式謝罪、法的賠償、教科書記述を厳格に求めてきました。一方で、自国軍が加害側となったベトナム戦争下の性暴力や民間人被害に対しては、同様の国家補償基準を適用していない点が国際社会や人権関係者から厳しく指摘されています。
【プロの結論】二重基準(ダブルスタンダード)の指摘と国際法上の責任
国際法学および人権社会学の観点から見れば、戦時性暴力に対する不処罰(インピュニティ)の撤廃と被害者の尊厳回復は、加害国の陣営や政治的立場を問わず一貫して適用されるべき普遍的原則です。日本に対して厳格な法的責任を迫りながら、自国の負の歴史に対しては消極的姿勢を貫く姿勢は、国際的な説得力を削ぐ要因となりかねません。真の和解を達成するためには、自国軍の過誤を直視する客観的な歴史検証が不可欠です。