探査船ちきゅうの噂と現在地|南海トラフ掘削と疑惑の真相を暴く
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探査船「ちきゅう」が担う任務の双璧が、南海トラフ巨大地震 震源域掘削と、地球科学の聖杯と呼ばれるマントル到達プロジェクトです。
南海トラフを舞台にした「南海トラフ地震発生帯掘削計画(IODP NanTroSEIZE)」において、「ちきゅう」は紀伊半島沖の熊野灘などで数々の困難な航海を重ねてきました。過去の大地震で滑ったとされるプレート境界断層そのものを直接掘削し、地中深くの断層岩石(コア試料)を採取することに成功しています。採取されたコアの分析により、断層が超高速で滑った際に生じた摩擦熱の痕跡や、断層内部の間隙水圧のメカニズムが解明され、地震発生シミュレーションの精度向上に決定的な貢献を果たしました。さらに、掘り抜いた孔の中に長期観測装置を設置し、リアルタイムで地殻変動を監視する海底ネットワーク(DONETなど)と連携させる作業も推進されています。
そして科学界が熱望し続けている究極のミッションが、地球の地殻を突き抜けて「モホ不連続面」を越え、上部マントルに直接ドリルを到達させる計画です。地球の体積の約84%を占めるマントルは、地球内部のダイナミクスや惑星形成の歴史を握る鍵でありながら、人類はこれまで一度も新鮮なマントル物質を直接採取できたことがありません。ハワイ沖やコスタリカ沖など、地殻が比較的薄い海洋底を舞台にターゲット選定が進められており、超高温・超高圧に耐えうる特殊ドリルビットの開発や掘削泥水の改良など、技術的ブレイクスルーへの挑戦が続けられています。
さらに、科学探査だけでなくエネルギー安全保障の現場でも重要な役割を果たしてきました。「メタンハイドレート採掘調査」では、日本近海の海底に眠る次世代天然ガス資源として期待される砂層型メタンハイドレートの減圧法による海洋産出試験において、「ちきゅう」の精緻な掘削技術が基盤データを支えてきました。