台湾農業を救った英雄・八田與一の真実!嘉南大圳に捧げた苦悩と絆
八田の偉業を語る上で欠かせないのが、彼を支え続けた妻・八田外代樹の存在である。金沢の裕福な家庭で育ちながらも、若くして台湾へと渡り、電気も水道もない過酷な工事現場の宿舎で夫とともに生活を営んだ。
太平洋戦争の激化に伴い八田が乗船した船が撃沈され、帰らぬ人となった後も、外代樹の心は夫の造った水守の地にあり続けた。終戦直後の混乱期、彼女は夫が情熱を注ぎ込んだ烏山頭ダムの放水口へと身を投じ、その生涯を閉じる。現地では今も、仲睦まじく並ぶ二人の胸像が温かく見守られている。
彼らが現地遺族や農民たちと育んだ信頼関係は、水管理組織である嘉南農田水利会へと脈々と受け継がれてきた。単なるインフラの維持管理にとどまらず、地域コミュニティの絆を結ぶ象徴として、現在も八田の遺志は生きている。