学校の銅像はなぜ消えたのか?二宮金次郎撤去の真相と現在の姿
かつて全国の約3割以上の公立小学校に存在したとされる二宮金次郎像ですが、2020年代以降はその数が目に見えて減少しています。教育委員会や学校関係者への取材から浮き彫りになった撤去の主因は、主に以下の3点に集約されます。
最も深刻な要因は、台座や像本体の老朽化による倒壊リスクです。昭和30〜40年代に作られたコンクリート製の台座は、雨水の浸入や中性化によって内部の鉄筋が腐食し、ひび割れが進んでいます。大地震が発生した際、児童の通学路や避難経路となっている校庭脇で数十キロから数百キロの石像・銅像が崩落すれば、人命に関わる大事故になりかねません。学校施設の耐震化工事に合わせて、自治体が安全確保のために撤去・処分を判断する事例が相次ぎました。
第2に、校舎のバリアフリー化や統廃合による敷地再編が挙げられます。少子化に伴う学校再編で閉校となる際、寄贈者がすでに故人となっており、引き取り手が見つからないまま撤去されるケースが後を絶ちません。
第3に、教育現場における指導方針の多様化です。特定の人物像を一律に道徳的模範とすることへの慎重論や、校庭の有効活用(防球ネットの拡張や遊具の更新)が優先された結果、役目を終えたとみなされる銅像が増加しました。