厚塗りのやり方完全解説|初心者が色が濁る理由と立体感を出す決定打
ネット上のチュートリアルやメイキング動画には、初心者を惑わせる不正確な情報や、言葉足らずなアドバイスが散見されます。それらの盲点を暴き、正しい認識にアップデートしましょう。
誤解1:ぼかしツールを使えば使うほどリアルになる
画面を滑らかにしようとして、境目を片っ端から「ぼかし(ブラー)」ツールやエアブラシで擦ってしまうのは典型的な悪手です。すべてがソフトエッジになったイラストは、ピントの合っていないピンボケ写真のようになり、材質感が完全に消失します。美しい厚塗りの鉄則は「ハードエッジ(硬い境界)7割、ソフトエッジ(柔らかい境界)3割」の黄金比率です。布のシワの折り返し、顎の輪郭、瞳の縁などはカッターで削ったような硬いエッジを残し、曲面のグラデーション部分だけを柔らかくなじませることで、プロ特有の引き締まった絵肌が生まれます。
誤解2:完璧なデッサン力がなければ厚塗りはできない
「デッサン力がないから厚塗りに手を出せない」と尻込みする人がいますが、本質はその逆です。線画を厳密に仕上げなければならないアニメ塗りに比べ、厚塗りは「描きながら形を何度でも直せる」という最大の利点を持っています。多少パースや骨格が狂っていても、上から正しい色の絵の具を厚く塗り重ねることで、輪郭の太さや角度を後からいくらでも削ったり膨らませたりできます。修正の柔軟性という観点において、厚塗りはむしろ試行錯誤を恐れる初心者にとって最も懐の深い描画スタイルなのです。