リ・ソルチュ夫人の現在と子供の謎|元歌手が北の国母へ至る真実
リ・ソルチュ経歴を紐解く上で、彼女の出自と芸術的キャリアは極めて特異な輝きを放っています。1989年前後に平壌の一般的なエリート層(父は大学教授、母は医師とされる家庭)に生まれた彼女は、幼少期から音楽的才能を見出され、平壌金星第一中学校などで声楽の英才教育を受けました。
彼女の若い頃の足跡として国際的に記録されている決定的な事実は、2005年に韓国・仁川で開催されたアジア陸上競技選手権大会への参加です。当時16歳前後だった彼女は、北朝鮮の「美女応援団」の一員として訪韓し、澄んだ歌声と洗練された容姿で現地メディアのカメラにも捉えられていました。その後、中国・北京への声楽留学を経て、体制直属のトップ音楽グループである銀河水管弦楽団の専属歌手として抜擢されます。
金正恩氏との馴れ初めについては、複数の証言や脱北高官の手記から、2009年前後に銀河水管弦楽団の公演を鑑賞した金正日総書記および金正恩氏の目に留まったことが契機とされています。当時、後継者としての権力基盤を固めつつあった金正恩氏の伴侶として、血統の純粋性と芸術的素養を兼ね備えた彼女が選定され、同年末に極秘裏に結婚。2012年7月に綾羅(ルンラ)人民遊園地の竣工式報道で初めて「金正恩同志の夫人、李雪主同志」として世界に公表されました。