人体の細胞数は60兆個でなく37兆個?覆った定説の理由と新陳代謝
37兆個の細胞は固定された静止画ではなく、常に激しく入れ替わる動的な平衡状態にあります。人体の細胞はアポトーシス(プログラムされた細胞死)と細胞分裂を繰り返し、組織の恒常性を維持しています。
1日あたりに換算すると、なんと約3,000億〜4,000億個もの細胞が毎日死滅し、新たに生成されています。その大部分は寿命が約120日の赤血球(毎日約2,000億個が新生)と、過酷な消化液にさらされる腸管上皮細胞です。
皮膚の表皮は約4週間でアカとなって剥がれ落ち、胃や腸の内壁はわずか数日で総入れ替えが行われます。一方、骨の組織は破骨細胞と骨芽細胞の働きによって約3〜5年かけて徐々にリモデリング(再建)されていきます。
ただし、心臓の心筋細胞や大脳の主たる神経細胞は、誕生後にほとんど細胞分裂を行いません。つまり、私たちの身体は「数日で新しくなる超短期組織」と「一生を共にする終末分化組織」が複雑に融合して成り立っているのです。