平成最大の衝撃事件から約30年――「酒鬼薔薇聖斗」の母親が遺した手記と加害者家族が背負い続ける「永遠の贖罪」の現在地
少年Aが医療少年院を退院し、社会復帰を果たした後の2015年、事件は再び大きな波紋を呼ぶ。手記『絶歌』を、元少年A本人が遺族への事前相談や了解なしに出版したためだ。
この独断的な出版は、被害者遺族の心情を再び踏みにじるものとして猛烈な批判を浴びた。そして同時に、母親をはじめとする家族との関係性にも修復不能な亀裂を生じさせた。母親がかつて出版した手記が自責と謝罪に満ちていたのに対し、元少年Aの著書は自己の承認欲求や特異な内面を吐露する側面が強く、家族が長年積み重ねようとしていた不十分ながらの償いの姿勢を一瞬で打ち砕く結果となった。