ヴィッツはなぜヤリスになった?トヨタウンCmと改名の真相を徹底解説
1999年に「スターレット」の後継として誕生した初代ヴィッツは、ギリシャ神話の勝利の女神「Nike」とドイツ語の機知「Witz」を掛け合わせた造語であり、日本のコンパクトカーの概念を根底から覆した名車でした。丸みを帯びた洗練されたデザインと驚異的な室内空間の広さは、瞬く間に国内外で大ヒットを記録します。
これほどの国民的ネームバリューを誇りながら、2020年のフルモデルチェンジで「ヤリス(YARIS)」へと改名・生産終了に踏み切った背景には、トヨタが下した3つの明確な戦略的決断が存在します。
1つ目は、「グローバルネームの統一」です。初代の誕生時から欧州をはじめとする海外市場では「ヤリス」として販売されていました。国ごとに車名を変える手法から、世界共通のグローバルブランドとしてマーケティングリソースを集中させる方針へと舵を切ったのです。
2つ目は、「TNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォーム」の全面導入です。車体構造をゼロから見直し、走りの質感、衝突安全性、運動性能を飛躍的に高めたことで、「単なる街乗りのお買い物車」から「世界水準で戦える本格ドライバーズカー」へとキャラクターを一新させました。
3つ目は、「WRC(世界ラリー選手権)への参戦効果」です。過酷なモータースポーツの現場で培った知見を市販車に還元し、「ヤリスWRC」の活躍と市販モデルのイメージを直結させるために、世界統一名称であるヤリスへの一本化が不可欠でした。