お眼鏡にかなうの真実|目上に使う落とし穴と正しい敬語マナー
日常会話やビジネス文書で頻出するお眼鏡にかなう 意味は、「目上の人から評価されること」「鑑識眼のある人物に価値を認められて気に入られること」を指します。ポイントは、評価を下す側が必ず「鑑識眼を持つ優れた人物」や「上位者」であるという点です。
表記の面で迷いやすいのがお眼鏡に適う 漢字の使い分けです。一般的には「適う」を当てます。「条件や基準にぴったり合致する」という意味を持つため、「御眼鏡に適う」がもっとも整合性の取れた用字です。「願いが叶う」の「叶う」や、「太刀打ちできる」を意味する「敵う」を充てるのは誤記となるため、公的文書やメール作成時には注意を払わなければなりません。
この表現のルーツであるお眼鏡にかなう 由来は、江戸時代にまで遡ります。当時、舶来品として日本に伝わった眼鏡は、一部の学者や富裕層、幕府の要職者だけが手にできる超高級品でした。やがて虫眼鏡や拡大鏡の機能から転じて、物事の真贋を鋭く見抜く「鑑識眼」や「洞察力」そのものを「眼鏡(めがね)」と呼ぶ比喩表現が定着しました。つまり「お眼鏡」とは、優れた人物が持っている卓越した審美眼・評価基準を敬意を込めて表現した言葉であり、その厳しい基準をクリアして選ばれた状態を「適う」と表現したのが始まりです。