戦前のカラー写真が映す日本のリアル!白黒を超えた驚きの日常と街並み
戦前のカラー写真に対する関心が高まる一方で、ネット空間では情報リテラシーに関わる深刻な誤解やトラブルも浮き彫りになっています。特に注意すべきは「AIカラー化による歴史的誤謬」と「真贋の混同」です。
AIによる白黒写真のカラー化は、過去の何百万枚ものカラー画像を学習したニューラルネットワークが「この形状と濃淡なら、おそらくこの色だろう」という確率計算に基づいて色彩を配置しています。そのため、木々を緑、空を青、人間の顔を肌色に塗ることは得意ですが、特定の時代にしか存在しなかった製品のパッケージ、制服の記章、看板の文字色、地方独特の織物の色分けなどを自動判別することはできません。
例えば、旧日本軍の軍服の細かな兵科色(歩兵の赤、騎兵の緑、航空の空色など)や、鉄道車両の固有の塗色が、AIによって全くデタラメな色合いに変換されて拡散される事例が後を絶ちません。これを「当時の本物の色」として盲信してしまうと、歴史の事実誤認を招くリスクが生じます。
真の歴史的復元を行う専門家チーム(東京大学の渡邉英徳教授ら)の取り組みでは、AIが初期着色した画像に対して、当時の日記や文献の記述、現存する博物館の収蔵品、そして「当時を知る高齢者からの直接の聞き取り調査」を丹念に重ねることで、一色ずつ手作業で色調を補正しています。ただAIツールに通しただけの画像と、学術的考証を経た復元資料との間には、情報の信頼性において決定的な隔たりがあることを認識しなければなりません。