逆行列の求め方を完全マスター!3×3掃き出し法までプロが徹底解説
手計算で3×3行列の逆行列を求める際、最も確実でミスが起きにくいアプローチが行基本変形を用いた掃き出し法(ガウスの消去法)です。この手法の美しさは、公式を丸暗記する必要がなく、機械的な手順を淡々とこなすだけで自動的に逆行列が浮き彫りになる点にあります。
手順の骨子は、求めたい行列 $A$ の右側に同サイズの単位行列 $I$ を並べた拡大係数行列 $[A \mid I]$ を構築することから始まります。
$$[A \mid I] = \left(\begin{array}{ccc|ccc} a_{11} & a_{12} & a_{13} & 1 & 0 & 0 \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} & 0 & 1 & 0 \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} & 0 & 0 & 1 \end{array}\right)$$
ここから、左側のブロックを行基本変形によって単位行列へと変換していきます。左側が完全に単位行列 $I$ に到達した瞬間、右側に並んでいた行列がそっくりそのまま求めたい逆行列 $A^{-1}$ に化けています。許される変形操作は以下の3パターンのみです。
- 行の定数倍:ある行全体に、ゼロ以外の実数を掛ける(または割る)。
- 他行の加減:ある行に、別の行を定数倍したものを足す(または引く)。
- 行の交換:2つの行の位置をそのままそっくり入れ替える。
変形を進める黄金ルールは、「第1列の1行目を1にし、その下の2行目・3行目を0にする」→「第2列の2行目を1にし、その上下を0にする」というように、左端の列から1列ずつ確実に確定させていくことです。焦ってランダムに変形を試みると、せっかく0にした成分が後続の計算で再び崩れて無限ループに陥ります。