お札の文字「隷書」とは?特徴や歴史・楷書との違いを徹底解明

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漢字の書体には「書道五体(篆書・隷書・草書・行書・楷書)」が存在します。文字の歴史において特筆すべきは、一般に思われがちな「篆書→隷書→楷書→行書→草書」という順番で進化したわけではないという点です。実際には、隷書を早書きする過程からまず「草書」が生まれ、その後日常の筆記体として「行書」が整い、最も遅い三国時代から唐代にかけて最も整然とした「楷書」が完成しました。

文字構造の観点から見ると、隷書はすべての現代漢字(楷書・行書・草書)の直接の母体となった「漢字史上最大の転換点」に位置づけられます。

書体名成立時期の目安筆法・字形の構造的特徴現代の主な用途・利用シーン篆書(てんしょ)紀元前3世紀(秦代)縦長、線の太さが均一、水平垂直で幾何学的実印・会社角印、紙幣の官印、パスポート表紙隷書(れいしょ)前漢〜後漢(紀元前2〜後2世紀)扁平(横長)、蔵鋒、波磔(独特の右跳ね上げ)日本銀行券の題号、賞状題字、店舗看板、認印草書(そうしょ)前漢末〜後漢(紀元前後)極端な省略、点画の連続、流麗な曲線美書道芸術、掛け軸、伝統的な手紙の署名行書(ぎょうしょ)後漢末〜東晋(2〜4世紀)楷書を自然にくずした筆運び、適度な連続性日常の手書き筆記、挨拶状、のし袋の表書き楷書(かいしょ)三国〜唐代(3〜7世紀)正方形に近い字形、点画の明確な打ち込みと止め教科書、公的書類、新聞・雑誌、標準フォント

隷書と楷書の最も分かりやすい違いは「字形の縦横比」と「起筆・終筆の処理」にあります。楷書が正方形の枠に収まる均整の取れたプロポーションを持つのに対し、隷書は左右に重心を広げた扁平な横長プロポーションをとります。また、楷書が「トン・スー・トン」と筆を入れる露鋒(ろほう)を多用するのに対し、隷書は筆先を隠して丸みを持たせる独特の入筆を行うのが特徴です。

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