モルタルとコンクリートの違いとは?強度や用途・Diyの使い分けを徹底解説
ネット上のDIY解説記事や動画の中には、科学的根拠を欠いた誤解が散見されます。特に注意すべき2大盲点を解剖します。
誤解1:「モルタルはセメント濃度が高いからコンクリートより頑丈」という錯覚
「砂利でカサ増ししていないモルタルの方が、セメントの割合が多くて頑丈なのでは?」という疑問を持つ初心者は少なくありません。しかし、これは材料工学的に完全な誤りです。
セメントペーストは硬化・乾燥に伴って体積が縮小する「乾燥収縮」の性質を持っています。骨材(砂や砂利)は、この収縮を物理的に抑え込む「突っ張り棒」の役割を果たしています。微小な砂しか入っていないモルタルは、粗骨材(砂利)がぎっしり詰まったコンクリートに比べて乾燥収縮量が約2〜3倍に達します。つまり、厚みを持たせて施工した場合、モルタルの方が内部応力によって自壊クラックを引き起こしやすいのです。
誤解2:ひび割れ補修は「適当に上から塗り重ねれば直る」という甘い認識
モルタル壁や土間に発生したひび割れ(クラック)の補修において、隙間にそのままモルタルを塗り込んでも、数ヶ月後には同じ場所から再発します。クラック内部の粉塵や脆弱層が密着を妨げるためです。
正しいモルタルひび割れ補修の手順は以下の通りです:
- ヘアクラック(幅0.3mm未満):セメント粉末を水で溶いたセメントペーストや、浸透型微弾性フィラーを刷毛で刷り込む。
- 構造クラック(幅0.3mm以上・深部到達):ディスクグラインダーでクラック沿いを「Vカット」または「Uカット」にハツリ取り、溝内部の粉塵を清掃後、専用プライマーを塗布。弾性エポキシ樹脂シーリング材を充填した上で、表面をモルタルで平滑に復元する。
また、コンクリート構造物の耐用年数は通常30〜50年以上と極めて強固ですが、大気中の二酸化炭素によって内部の強アルカリ性が失われる「中性化」や、寒冷地で内部水分が凍結膨張を繰り返す「凍害」、塩分浸透による鉄筋腐食などが劣化の主要因となります。定期的なひび割れ塞ぎやトップコート塗装が寿命を大幅に左右します。