モダン焼きとは?広島焼きとの違いや名前の由来・絶品レシピを徹底解説
「モダン焼き」と耳にすると、多くの人が英語の「Modern(当世風、ハイカラ、現代的)」を連想します。昭和レトロの時代に西洋風の新しい感覚を取り入れたメニューだからモダン焼きなのだ、という解釈が一般に信じられていますが、食文化の歴史記録を丹念に紐解くと、そこには全く別のユーモラスで合理的な真実が存在します。
歴史的な定説として知られているのが、大阪・玉出で1946(昭和21)年に創業し、のちに全国展開を果たす名店「ぼてぢゅう」における開発秘話です。ぼてぢゅう発祥の歴史資料および創業一族の証言によると、モダン焼きが誕生したのは昭和30年代後半から40年代初頭にかけてのことでした。当時、育ち盛りの若い店員たちの空腹を満たすため、店の厨房で残ったお好み焼きの生地に焼きそばを豪快に放り込んで焼いた「まかない飯」がすべての始まりでした。
この圧倒的なボリュームを誇るまかないを見た創業者や従業員たちが、「具材が盛りだくさんに入っている」ことから「盛りだくさん焼き」と呼び始めました。これが常連客の目にとまり、メニュー化される過程で「もりだくさん…もリーダーくさん…モダン焼き」と語呂良く短縮されたというのが、現在業界で最も有力とされる盛りだくさん説の真相です。
もちろん、命名当時「ハイカラで現代的(モダン)」という響きが大阪の若者たちの心を掴むキャッチコピーとしてダブルミーニングで機能したことは否定できません。しかし、その根底にあったのは言葉の気取りではなく、「安くて腹一杯になる、盛りだくさんな飯を食わせたい」という大衆鉄板割烹ならではの温かい生活実感でした。この事実を知ると、鉄板の上の分厚いモダン焼きがより一層味わい深く感じられるはずです。