シングルマザー手当もらいすぎ説の嘘!ずるいと炎上する理由と生活実態
ネット空間で「母子家庭はずるい」と指弾される背景には、単なるやっかみにとどまらない、制度の複雑さと生活者の切迫した不満が複雑に絡み合っています。大手掲示板やSNSの投稿を分析すると、批判が噴出する理由は大きく3つに集約されます。
第1の理由は、制度の表面的な「足し算」による錯覚です。行政が提供するセーフティネットには、児童扶養手当をはじめ、児童手当、ひとり親家庭等医療費助成制度、就学援助、水道料金の減免、公営住宅の優先入居枠など多岐にわたる支援が存在します。これらを一覧表で目にした一部の人々が「ひとり親ならこれらすべてが無条件で満額支給され、毎月何十万円も不労所得を得ている」と早合点してしまうケースが極めて多いのです。
第2の理由は、母子家庭の税金免除批判なぜという疑問に直結する、住民税非課税世帯に対する優遇措置への不公平感です。税法上、合計所得が一定以下のひとり親は住民税が非課税となります。非課税世帯になると、自治体の臨時給付金の対象になったり、保育料が無償化されたり、高等教育無償化の恩恵をフルに享受できます。一方で、額面年収400万〜600万円前後の共働き世帯は、重い所得税・住民税や社会保険料を天引きされながら、所得制限によって各種支援を削られてきた経緯があります。「汗水垂らして納税している自分たちよりも、税金を払っていないひとり親のほうが手厚い支援を受けている」という中間層のルサンチマン(怨望)が、批判の炎に油を注いでいるのです。
第3の理由は、SNS上に散見されるシングルマザーの贅沢とネットの反応がもたらす認知の歪みです。「手当が入ったから話題のカフェでランチ」「自分へのご褒美にブランド品を購入」といったごく一部の断片的な投稿が拡散されることで、「困窮しているはずなのに裕福な暮らしをしている」「私たちの税金で遊んでいる」という強烈なスティグマ(偏見)が形成されてしまいます。画面の向こう側の極端な例外が、あたかも母子家庭全体の標準であるかのように誤認されているのが実態です。