面心立方格子の配位数が「12」になる本当の理由と充填率を完全解説
結晶格子問題において、出題者が受験生の理解度を試すために仕掛ける代表的なトラップが「最近接原子間距離(最も近い原子同士の中心間距離)」の問い方です。
多くの受験生が「最近接原子間距離=格子定数 $a$」と反射的に誤答してしまいます。しかし、面心立方格子において最も距離が近い原子同士は、辺の上にある原子ではなく、「面の対角線上にある頂点原子と面心原子」です。
つまり、最近接原子間距離 $L$ は、原子半径2個分($2r$)に相当します。先述の幾何関係($\sqrt{2}a = 4r$)を代入すると、
$$L = 2r = \frac{\sqrt{2}}{2}a = \frac{a}{\sqrt{2}}$$
となります。「辺の長さ $a$」よりも「面の対角線の半分 $\frac{\sqrt{2}}{2}a \approx 0.707a$」の方が短いという幾何学的事実を立体的に把握しておく必要があります。この距離関係を取り違えると、その後に続くイオン結晶(NaCl型やZnS型)の限界半径比の計算がすべて総崩れになるため、極めて重大なチェックポイントです。