連載37年目の衝撃:なぜ「はじめ の 一歩 もう やめろ」の声は止まらないのか?復帰なき物語と超長期連載の限界点
議論の引き金となっている最大の要因は、主人公・幕之内一歩の「現役引退」後の展開にある。脳へのダメージ(パンチドランカー疑惑)を理由にグローブを置いてから、物語の時間は刻々と流れてきた。読者の多くは「一時的な充電期間を経て、いずれリングへ華々しく復帰するはずだ」と信じて疑わなかった。
だが、物語が描いているのは一歩のセコンドとしての成長や、同世代のライバルたちの激闘だ。緻密な描写とボクシング理論の深掘りは見事というほかないが、肝心の一歩自身がリングに上がらないまま年月が経過した。数ヶ月どころか数年単位で続くこの状態に、「一体どこへ向かっているのか」という焦燥感がファン層全体にじわじわと広がっていったのだ。