冷蔵庫マットは不要?敷いたらカビた噂の真相と賃貸で損しない選び方
「そもそも冷蔵庫マットの必要性などない」と主張する人々が論拠とするのが、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。
同ガイドラインでは、家具や家電の設置による床の設置跡について明確な指針を示しています。「冷蔵庫の設置による床の凹み(重量による沈み)」は、人が生活するうえで避けられない「通常損耗・経年変化」に分類され、補修費用は家賃に含まれるため貸主(大家側)が負担するのが法的な大原則です。この条文だけを読めば、借主が自費でマットを買って凹みを防ぐ義務はありません。
しかし、不動産管理の現場や退去立ち会いの現場では、机上の法律論とは異なるシビアな現実が待ち構えています。
ガイドラインで通常損耗と認められるのは「真上からの重力による凹み」に限定されます。搬入・搬出時に冷蔵庫の脚や硬質ゴムキャスターを滑らせて生じた床の引きずり傷・えぐれ傷は「借主の過失(善管注意義務違反)」と判定され、全額入居者負担になります。また、冷蔵庫からの水漏れや結露を放置して生じた床の変色・腐食カビも、発見しながら放置した過失として補修費用を敷金から差し引かれます。
現代の賃貸物件で主流となっている柔らかいクッションフロア(CF)は、重量50kg〜100kgを超える大型冷蔵庫を直置きすると脚部4点に荷重が集中し、床材が破れたり下地合板まで歪んだりするケースがあります。退去時の敷金返還交渉で泥沼の争いを避け、余計な時間と精神的ストレスを被らないための「自衛の保険」として、マットを敷く実利的な価値は極めて高いと言えます。