安楽死の費用総額と内訳|スイス渡航の実態と厳格な審査条件を検証
話題沸騰中の 安楽死の費用総額と内訳|スイス渡航の実態と厳格な審査条件を検証について、詳しいまとめを整理して公開しています。
インターネット上の掲示板やSNSでは、安楽死の費用について「数百万円を払えばスイスで簡単に死ねる」といった短絡的な言説が散見されますが、これは完全な誤謬です。現場には厳格な倫理規定と法的手続きが張り巡らされています。
誤解1:精神疾患や老衰だけでもスイスで安楽死を受けられる?
法理上、スイスでは耐え難い精神疾患も自死幇助の検討対象に含まれ得るとされていますが、外国人に対する適用ハードルは絶望的なまでに高く設定されています。精神科医による数年間にわたる治療履歴の精査や、治癒不能であることの多角的な立証が義務付けられており、うつ病や希死念慮を理由とした外国人の申請が承認されるケースは極めて稀です。同様に、病名のない単なる「高齢による衰弱」のみでの受付も原則として行われません。
誤解2:日本国内でも医師に頼めば安楽死させてもらえる?
日本の現行法において積極的安楽死は一切合法化されておらず、医師であっても患者を薬物等で死に至らしめた場合は刑法202条(自殺教唆・自殺幇助罪、嘱託殺人・同意殺人罪)または殺人罪に問われます。過去の司法判断(東海大学病院事件判決など)では積極的安楽死の許容要件が示されたものの、現実の臨床現場でその要件をすべて満たして合法的に実施された例は1件も存在しません。
盲点:同行した遺族に降りかかる「帰国後のリスク」
スイスへの渡航に家族が付き添った場合、スイス国内では合法であっても、日本の刑法が国外犯処罰規定(刑法3条・自死幇助の国外適用問題)に抵触しないかという法的不確実性が常に付きまといます。過去に日本人患者を看取った遺族に対しても、帰国後に警察による事情聴取や取り調べが行われた事例が報告されています。遺族は愛する人を失った深い悲嘆(グリーフ)の最中に、法的な捜査対応を強いられるリスクを背負うことになります。