肩の痛みは心臓発作の前兆か?左肩の放散痛と命を救う見分け方の真実
心疾患の恐ろしさは、前兆となる痛みが「ありふれた体調不良」に偽装されて現れる点にあります。急性心筋梗塞で緊急カテーテル治療を受け、一命を取り留めた50代男性の手記には、当時の生々しい状況が記録されています。
「朝の通勤時、駅の階段を上がった瞬間に左肩から二の腕にかけてズーンと鉛を流し込まれたような痛みが走りました。前日にデスクワークが続いたため『ひどい五十肩か筋違えだろう』と決めつけ、駅のベンチで休むと10分ほどで痛みが引いたため出社してしまったのです。しかし翌週の未明、就寝中に今度は左肩甲骨を万力で締め上げられるような激痛と滝のような冷や汗で目が覚めました。胸の痛みというよりは、背中と肩が破裂するような苦しさでした」(当事者手記より)
救急救命センターの臨床記録でも、「初期段階でマッサージ店に駆け込んだ」「整形外科で湿布薬を処方してもらい様子を見ていた」という患者が少なくありません。発症から2時間以内(Door to Balloon時間を含め迅速な血流再開)に冠動脈の血流を再開できれば心筋のダメージを最小限に抑えられますが、肩こりと誤認して半日以上我慢した結果、広範囲の心筋壊死や心不全に移行してしまうケースが後を絶ちません。