袴垂が保昌を襲えなかった真相|今昔物語集を徹底解説
袴垂が保昌を襲えなかった真相|今昔物語集を徹底解説の全貌を分かりやすくまとめてご紹介します。
定期テストや大学入試における古文解釈では、文法的な識別が合否を分けます。特に『今昔物語集』巻第二十五第十二話の本文から頻出するポイントを抽出し、品詞分解と文法解説を網羅しました。
■ テスト頻出の重要古語
- 【用(よう)なり】(名詞+断定の助動詞「なり」):必要である、用事がある。(「衣の用なりければ」=着物が必要であったので)
- 【まく/まく+す】(動詞「設く」):準備する、用意する、手に入れる。(「衣少しまうけむ」=着物を少し手に入れよう)
- 【あやし】(形容詞・シク活用):不思議だ、怪しい、異様だ。
- 【案内(あない)】(名詞):事情、様子、内情。(「案内を知らで」=様子も分からずに)
- 【術(すべ)なし】(形容詞・ク活用):どうしようもない、手段がない。
- 【心地(ここち)】(名詞):気持ち、気分、感じ。(「生きたる心地もせず」=生きた心地もしない)
■ 入試で狙われる助動詞の識別
- 「衣少しまうけむとて」の「む」:意志の助動詞「む」の終止形(一人称の意図を示すため「〜しよう」と訳す)。
- 「いみじき盗人の大将軍ありけり」の「けり」:過去(詠嘆を帯びた伝聞過去)の助動詞「けり」の終止形。
- 「生きたる心地もせず」の「ず」:打消の助動詞「ず」の連用形。
- 「笛を吹きつつ行けば」の「つつ」:反復・継続を表す接続助詞(〜しながら)。
- 「取らむとするに」の「む」:意志(または仮定)の助動詞「む」の連体形。
■ 敬語の識別と敬意の方向
本作における敬語は、主に語り手(筆者)から藤原保昌に対する敬意、または袴垂から保昌に対する敬意として用いられます。
- 「宣ふ(のたまふ)」:尊敬語(おっしゃる)。筆者・地の文から藤原保昌への敬意。
- 「参る(まゐる)」:謙譲語(参上する)。保昌の指示に従って袴垂が近づく場面では、袴垂から保昌への敬意を示す。
- 「給ふ(たまふ)」:尊敬語(〜なさる、お与えになる)。保昌が袴垂に着物を与える場面(「衣を一襲賜ふ」)で用いられ、保昌の行為を高める。