児童相談所の人手不足はなぜ深刻なのか?崩壊寸前の現場実態と離職の真相
全国の児童相談所(児相)が対応した児童虐待対応件数の推移を振り返ると、その数値は右肩上がりで膨らみ続けています。こども家庭庁が公表した最新データによると、全国の対応件数は年間21万件を大きく突破し、高止まりの様相を見せています。1990年度の統計開始時点ではわずか1,000件程度だった相談件数が、約30年で200倍以上に急膨張した計算です。
対応件数が急増した最大の要因は、社会的な虐待意識の高まりに伴う「警察からの通告(面前DV等)」や近隣住民からの通報件数の増加です。配偶者間暴力(DV)を子どもの前で行う面前DVは心理的虐待に該当するため、警察からの通告件数は全体の半数近くを占める規模になっています。
しかし、通報の間口が広がる一方で、通告を受けた現場の職員には「通告後48時間以内の安全確認」という厳格なルールが課せられます。毎日のように鳴り止まない通報電話、緊急出動、関係機関との調整、さらには家庭訪問での激しい抵抗への対応が重なり、児童相談所の業務過多を伝えるニュースが日常化するほど、職員のキャパシティは限界を迎えています。