冷凍餅の劇的美味しい食べ方!レンジ爆発を防ぎつきたて食感に戻す裏技
冷凍餅を電子レンジで加熱した際に起きるトラブルのツートップが、「端だけがプラスチックのように硬化する現象」と「突然の破裂・ドロドロの液状化」です。これらは決して偶然ではなく、米に含まれるデンプンの性質とマイクロ波の物理現象によって説明がつきます。
餅の主成分であるもち米のデンプンは、加熱されて柔らかい「α(アルファ)型」から、冷えるにつれて硬く消化の悪い「β(ベータ)型」へと変化(老化)します。冷凍された餅は、このβ化の途中で時間を止めた状態です。これを再び柔らかいα型に戻す(再糊化させる)には十分な水分と約60℃以上の熱が不可欠ですが、電子レンジのマイクロ波は水分に反応して激しく分子を振動させるため、餅の表面から猛烈なスピードで水分が空気中へ蒸発していきます。その結果、水分を奪われた外側が干からびて硬化してしまうのです。
一方の「爆発」は、水分の分布と加熱ムラが引き金となります。冷凍餅の内部にわずかに残る水分がマイクロ波によって一瞬で沸点に達し、水蒸気となって体積が約1700倍に膨張します。外側の組織が硬いまま内圧が高まり続けると、耐えきれなくなった箇所から水蒸気が一気に噴き出し、風船が破裂するように爆発を起こすわけです。
この2大トラブルを一挙に解消し、つきたて食感に戻る解凍の裏ワザとして料理研究家や食品メーカーの間で定着しているのが、「冷凍餅水にくぐらせてチンする理由」の根幹であるスチーム密閉加熱です。やり方は極めて合理的かつシンプルです。
まず、冷凍餅を流水にサッとくぐらせ、表面全体に薄い水膜をまとわせます。次に、底の深い耐熱容器(ボウルや深皿)の底に大さじ1程度の水を張り、そこへ餅を入れます。ラップはピンと張るのではなく、蒸気がこもる適度な空間を確保しながらフワッと緩めにかけます。この状態で500Wで1分〜1分20秒(餅1個あたり)加熱してください。
この調理工程によって、マイクロ波は表面の水膜と容器内の水を優先的に温めて高熱蒸気を発生させます。餅は自らの水分を奪われることなく、全方位からスチームで包み込まれるように均一加熱されるため、角が硬くならず、内圧の局所集中による爆発も完璧に回避できます。竹串を刺して中央がスッと通れば、器を取り出してラップを外すだけで、湯気を上げるつきたて餅の完成です。