「Shall We ダンス?」から30年――草刈民代が今明かす「美学」と、60代で挑む未知の表現
1996年に公開された『Shall we ダンス?』は、それまでの日本映画の常識を心地よく打ち破る作品だった。社交ダンスという当時の一般層にはなじみの薄かったテーマを扱いながら、興行収入的な大成功を収めたばかりか、アメリカをはじめとする世界各国で異例のヒットを記録。ハリウッドでのリメイク版制作へとつながる金字塔となった。
当時、牧阿佐美バレエ団のエースとして活躍していた彼女が魅せたヒロイン・岸川舞の姿は、観客の記憶に強く刻まれている。言葉少なくも背中で雄弁に語る佇まい、ステップを踏み出すたびに流れる静謐な空気感。バレエの完璧な技術に裏打ちされた肉体表現が、映画というメディアと奇跡的な化学反応を起こした瞬間だった。