捨てる神あれば拾う神ありの真意とは?絶望から救われる理由と由来
この言葉の成り立ちを深く理解する鍵は、日本古来の宗教観である神道にあります。一神教の世界観では、絶対的な唯一神がすべてを裁き、救済します。しかし、古代日本に根づいたのは、山や川、動植物、自然現象のあらゆるものに神が宿ると考える「八百万(やおよろず)の神」の信仰でした。
日本神話に登場する神々は、それぞれ性格も役割も異なります。人間に荒ぶる試練を与える神がいる一方で、恵みと慈悲をもたらす福の神も存在します。つまり「捨てる神」という厳しい存在があれば、当然のように「拾う神」という慈悲深い存在も同時に存在する、という多神教ならではのバランス感覚からこの表現が生まれました。
江戸時代の上方いろはかるたにも「す」の札として「捨てる神あれば拾う神あり」が採用されており、庶民が厳しい身分制度や天災、不況を生き抜くための実践的な処世訓として広く親しまれてきた歴史があります。