黒川雅之の軌跡と美学|兄・紀章との差や名作Gom誕生秘話を解剖

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黒川雅之氏は1937年4月4日、愛知県名古屋市に生まれました。父・黒川巳喜氏は近代建築黎明期に名を馳せた建築家であり、兄はメタボリズム運動を牽引した世界的巨匠・黒川紀章氏、弟は環境デザイナーの黒川光寛氏という、まさに日本を代表する建築・デザイン一家の次男として育ちました。

名古屋工業大学建築学科を卒業後、早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻に進学。建築史・構造・都市計画の泰斗たちのもとで博士課程を修了した黒川氏は、1967年に黒川雅之建築設計事務所(後のKスタジオ)を設立します。しかし、彼の歩みは一般的な建築家の枠組みには収まりませんでした。

「建築を設計することは、人間を取り巻く最も外側の皮膚をデザインすることであり、スプーンや時計をデザインすることは最も内側の身体に触れる皮膚を作ることだ」という思想のもと、インテリアやプロダクトデザインへと領域を急速に拡大。建築設計を手がけながら、素材そのものが持つ生命感を引き出すプロダクトを次々と世に送り出しました。

さらに教育者としても、金沢美術工芸大学大学院教授・名誉教授を歴任し、後進のデザイナーや研究者の育成に多大な貢献を果たしています。理論と実践を高次元で架橋したそのキャリアは、デザインを「単なる造形作業」から「人間の生の探求」へと引き上げた稀有な足跡として記録されています。

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