シリンジ採血の分注手順と正しい順番|押し子Ngの理由と溶血防止策
従来の医療現場では、採血後のシリンジに注射針(21G〜23G)を付けたまま採血管のゴム栓へ垂直に突き刺す手技が横行していました。しかし、この方法は手元のブレによる指先への針刺し事故、採血管の貫通破裂、リキャップ時の誤穿刺など、極めて高い感染事故リスクを内包していました。
現在、厚生労働省の院内感染対策指針およびJCCLSガイドラインでは、針刺し損傷防止機構を持たない器材での直接分注は推奨されていません。日本ベクトン・ディッキンソン(BD)社が提供する「BD バキュテイナ® ブラッド トランスファー デバイス」をはじめとする専用の分注ホルダーは、内部に安全針が内蔵された構造となっており、外側に針が一切露出しない設計です。
分注ホルダーを使用することにより、作業者はシリンジのルアーテーパーを器具にカチッと接続し、採血管をホルダー内に差し込むだけで作業が完了します。針のリキャップ作業が完全に排除されるため、日本医療安全調査機構等の集計で常に上位を占める採血関連の針刺し事故発生件数を構造的に削減することが可能です。