厚切り豚ロースが劇的ジューシーに!プロ直伝の焼き方と黄金レシピ
準備が整ったら、いよいよフライパンでの火入れに入ります。豚ロース肉の厚切りをフライパンで簡単に、かつ専門店レベルに焼き上げるための最大の極意は、「強火で急激に焼かないこと」と「余熱を調理時間として計算すること」の2点です。
ポークソテーを焼く場合、冷たいフライパンに小さじ1の油をひき、肉を並べてから弱めの中火にかける「コールドスタート」が極めて有効です。急激な熱衝撃を与えないため肉の収縮が極小化され、均一に熱が浸透していきます。片面に美味しそうな焼き色がつくまで約3分間動かさずに焼き、裏返したらフタをして弱火で約2分から3分蒸し焼きにします。
そして、フライパンから取り出した直後の扱いが運命の分かれ道となります。肉を取り出したらすぐに包丁を入れず、二重にしたアルミホイルでふんわりと包み、加熱した時間と同等の約5分間休ませます。この静置時間によって、過熱で中央に凝縮していた肉汁が再び筋繊維全体へと緩やかに戻り、包丁を入れた瞬間に肉汁がまな板へ溢れ出す大惨事を完璧にブロックできます。
家庭で作るトンテキのレシピで人気1位を誇る三重県四日市スタイルの場合、肉の片側に数本の切れ込みを入れる「グローブカット」を施します。タレが繊維の奥まで絡みやすくなり、火の通りも格段に早くなります。ウスターソース大さじ2、醤油小さじ2、みりん大さじ1、砂糖小さじ1、おろしニンニク1片を合わせた濃厚ダレを、余熱を終えた肉とフライパンで強火で一気に絡めれば、がっつりとしたおかずの最高峰が完成します。
また、洋食の定番であるガーリックバター醤油に仕立てるなら、弱火でじっくり香りを移したニンニクオイルで肉を焼き上げ、最後の仕上げに無塩バター10gと濃口醤油小さじ2を投入します。フライパンを揺すって肉汁と油分、醤油を細かく一体化(乳化)させることで、肉の表面にとろりとした濃厚な旨味の膜が形成されます。