ハウルの動く城の結末とソフィーの呪い!原作との違いと裏設定を解明
本作の芸術的完成度を決定づけたのが、卓越した声優陣のキャスティングと久石譲による音楽です。とりわけ主人公ハウル役に木村拓哉を抜擢した人事は、公開当時から大きな話題を呼びました。
スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫の回顧録によると、宮崎駿監督は木村拓哉の第一声を聞いた瞬間に「これだ」と確信したと証言されています。木村が表現したハウルは、単なる二枚目ヒーローではなく、美貌の裏に隠された「脆さ」「幼稚さ」「自暴自棄になる情けなさ」を生々しく宿しており、ハウルの複雑なキャラクター像を見事に結実させました。
また、ヒロインのソフィーを少女時代から90歳の老婆まで一貫して演じ切った倍賞千恵子の演技力、荒地の魔女を演じた美輪明宏の圧倒的な怪演、カルシファー役の我修院達也、マルクル役の神木隆之介(当時11歳)など、実力派キャスト陣によるアンサンブルが劇世界に圧倒的な説得力を与えています。
そしてメインテーマ曲『人生のメリーゴーランド』は、3拍子の優雅なワルツのリズムに哀愁と祝祭感を同居させた傑作です。ソフィーとハウルが空を歩く象徴的なシーンから、戦火の中を彷徨う緊迫した場面まで、旋律を変調させながら繰り返される構成は、まさに「浮き沈みを繰り返しながら廻り続ける人生そのもの」を音楽で体現しています。