関東信越厚生局の実態調査|指導監査や指定取消の基準とマトリの全貌
クリニックの新規開業や病床の機能転換を行う際、避けて通れないのが「施設基準の届出」とそれに付随する「施設基準の適時調査」です。
医療機関が特定の点数(入院基本料や各種加算など)を算定するためには、人員配置、医療機器の保有状況、安全管理体制などが厚生労働大臣の定める基準を満たしている旨を、管轄の厚生局事務所へ届け出なければなりません。
「書類審査が通って届出が受理されたから安心」と考えるのは大きな誤解です。届出後、厚生局の調査官が実際に院内を訪問して確認する「適時調査」において、現場の運用実態と申請内容のズレが厳しくチェックされます。
都内の医療法人事務長は、当時の緊迫した実地検査をこう振り返ります。
「調査官は看護師の勤務計画表(様式9)とタイムカード、実際の病棟記録を1分単位で照合します。『会議で病棟を外れていた時間』『委員会活動の時間』が病棟配置時間に含まれていないかまで徹底的に精査され、要件未達と判定されれば過去1〜2年に遡って数千万円の加算を自主返還することになります」
また、医療法人の設立認可に関しては、一次的な審査および認可権限は都道府県知事(保健医療主管課)にありますが、広域で複数の病院を展開する医療法人の定款変更や、保険医療機関としての継続手続き、医師の保険医登録の手続きにおいては厚生局との密接な連携が不可欠です。書類の不備や認識不足が数か月の開院遅延や診療報酬の請求停止を招くため、制度を正確に把握した実務対応が求められます。