「Grey」と「Gray」の違いとは?英米スペルの真相と一瞬の覚え方
一般的な形容詞や名詞としてはどちらを使っても問題ありませんが、固有名詞や特定の生物名においてはスペリングが固定化されているケースが多いため注意が必要です。
アールグレイ(Earl Grey)の綴りと歴史的由来
ベルガモットで柑橘系の香りをつけた代表的な紅茶「アールグレイ」は、必ず「Earl Grey」と綴られます。その理由は、1830年代にイギリス首相を務めた第2代グレイ伯爵チャールズ・グレイ(Charles Grey, 2nd Earl Grey)の家名に由来しているためです。人名という固有名詞である以上、アメリカ国内であっても「Earl Gray」と表記することは原則としてありません。
グレイハウンド(Greyhound)のスペル理由
ドッグレースで知られ、アメリカの長距離バス運行会社の社名(Greyhound Lines)にもなっている犬種「グレイハウンド」も、常に「Greyhound」と表記されます。
この単語は一見「灰色の犬」に見えますが、語源学的には色とは無関係です。古英語の「grīghund(古ノルド語のgrey[雌犬]に由来)」が語源であり、色のgray/greyとは語源系統が異なります。そのため、アメリカ英語圏発祥のブランドであっても「Grayhound」とは表記されません。
日本語表記における「グレイ」と「グレー」の揺れ
カタカナ語としてのグレイとグレーの日本語表記については、文化庁の外来語表記基準やマスコミ各社の用字用語集において、一般語としては長音を用いた「グレー(グレーゾーン、グレープフルーツなど)」が標準表記として採用されています。一方で、SF作品における宇宙人「グレイ」やロックバンド「GLAY」のように、固有名詞や特定の分野では「グレイ」が定着しています。