ゴシゴシ拭きはNg!専門医が明かす正しい便の拭き方と痔予防
「紙でゴシゴシと力任せに拭くのは、今すぐやめるべきです」。そう訴えるのは、数多くの患部を診察してきた肛門科専門医だ。肛門周囲の皮膚は人体の中でも極めて薄く、まぶたの皮膚と同じくらい繊細な構造をしている。そこを硬いトイレットペーパーで何度も擦りつけると、表面の角質層が削れ、バリア機能が容易に破綻してしまう。
結果として引き起こされるのが、強い痒みやヒリヒリ感に伴う肛門掻痒症や、皮膚が裂けて血が滲む切れ痔だ。日本大腸肛門病学会の症例報告でも、肛門の痛みを訴えて受診する患者の多くに過度な拭き取り癖が確認されている。さらに皮膚科の知見からも、摩擦刺激が慢性化することで皮膚が肥厚し、かゆみの悪循環に陥ることが指摘されている。代表的なトラブルである痔(はれ・切れ痔・いぼ痔)の発症や悪化を防ぐためにも、力の入れ過ぎは禁物なのだ。