干物の数え方は匹じゃない?アジやスルメなど助数詞の真相とマナー
実際の取引現場や百貨店の高級鮮魚売り場では、助数詞はどのように扱われているのでしょうか。静岡県沼津市や神奈川県小田原市の老舗干物店、さらに東京・豊洲市場の水産仲卸業者への取材をもとに現場の実態を検証します。
沼津で創業80年を超える干物加工場の職人は、次のように証言しています。
「仕入れの段階、つまり生のアジを港から競り落とすときは『〇〇キロ』や『〇〇箱(ケース)』、魚単体を見るなら『尾(び)』で会話します。しかし、職人が手開きにして塩水に漬け、乾燥機から上がってきた製品を検品する瞬間からは、完全に『1枚、2枚』と数えます。背開きにしたアジは平たい板と同じですから、業界内で『アジの干物を1匹』などと呼ぶ従業員は一人もいません」
一方、ネット掲示板やSNS上の一般消費者の発言を分析すると、少なからず「居酒屋でアジの開きを頼むとき『2匹ください』と言って店員に笑われた」「スーパーのパックに『2枚入り』と書いてあるのを見て初めて気づいた」という声が見受けられます。家庭内での会話であれば「匹」でも意味は通じるものの、水産業界や飲食業界のプロフェッショナルの前では、平たい干物を「匹」と呼ぶことに対して明らかな違和感を持たれるのが現実です。